こんにちは!しろくまです。
前回、家・マンションの所有派と賃貸派、それぞれの主張について、取り上げてきました。
そして、この問題の僕の結論は、「その人の価値観次第(好み)。物件次第。」と述べましたが、
いきなりそんなことを言われても自分の価値観なんてわからないよ、という人も多いと思います。
そこで、今回は所有と賃貸について項目ごとにを比較して、その違いを確認してみようと思います。
これを読めば、マイホームを購入するかどうか、自分で考える時の一つの参考になると思います。
是非、これを読みながらも、自分はどう思うか、考えてみて頂ければ幸いです。
所有 vs 賃貸 徹底比較!
結論をまとめたのが以下の図ですが、まさに一長一短という感じです。
それでは、各項目について、個別に見てみましょう。
経済性 基本的に物件次第!!
所有と賃貸、どっちの方がお得なのか?
所得派・賃貸派でずっと争い続けていますが、結論は「物件次第」だと思っています。
それぞれの話を聞いていると、一定の「前提条件」が入っていたり(『人口が減少していく地域の場合は…』等)とか、計算すべき項目が入っていない『所有した後の物件を売却した場合の価値を考えない』等)と、本当の比較になっていないものもあります。
ここでは、「物件次第」だとしても、どうやって所有と賃貸の計算をして比較したらいいのか、また価格変動についても取り上げたいと思います。
1 経済性
1-1 キャッシュ移動の比較
所有と賃貸、それぞれにおいて、多数のお金の移動が発生します。
それを時期(初期(物件に入る時)、期中(物件に住み続ける間)、出口(物件を出る時))に分けて、それぞれの目安になる金額を書いたのが下の表です。
これら初期・期中・出口のそれぞれの入金(プラス項目)-出金(マイナス項目)を計算して、所有と賃貸と比較して、初めてどちらが得かが分かります。
例えば、僕は物件探しをしているとき、以下のような計算をしていました。
こんな計算をしてみると、この物件に関しては、相場賃料よりも月額9,981円、20年間で約240万円お得になると計算できます。
勿論、細かいことを言うと、インフレ率とかリスクプレミアムとか、取引経費や固都税のざっくりな感じが問題になると思いますが、ようは所有と賃貸のコスト比較をするには、これだけの計算が必要となるのだ、しかも前提条件(売却期間やローン条件等)によって全然変わってくるのだ、とわかって頂ければ、一概に所有と賃貸とどっちが有利なんて言えないということが分かってもらえる思います。
1-2 コストの変動性・不確実性(リスク)
上記の経済性の比較でみると所有の方が有利でしたが、例えば物件価格が下がる、ローンの借入利率が上がったりしたら、あっという間に結果が変わってしまいます。
一方で、賃料は変動はするものの、物件価格に比べればそれほど大きな変化にはなりません。
そういった意味で、コストの変動性・不確実性(リスク)が小さく、安定しているのはどちらかという観点で見ると、所有よりも賃貸が有利になります。
2 機能
所有と賃貸の比較について、お金の比較の次は機能面です。
2-1 設備の機能
設備面で見ると、基本的に所有の方が質が高いです。
賃貸マンションに比べて分譲マンションの方が思った以上に機能性は高いと感じています。
賃貸だと壁が薄かったり気密性が低くて窓際やお風呂場は冬寒かったりといったことがありましたが、分譲マンションだとそれほど気にならないということがありました。見た目では分からない思った以上の違いでびっくりしました。
それ以外にも、キッチンやトイレ等様々な面でやはり分譲マンションの方が質が高いと感じています。
また、戸建の場合、賃貸用の戸建がまだまだ少ないため、戸建に住もうとすると変わるを得ないため、こちらは比較ができないということになります。
2-2 住民との関係性
良いマンションかどうかをチェックする時に、良く言われるのが、ごみ捨て場や掲示板、郵便受けにあるごみ箱が綺麗かどうか、という所です。
ようは、こういった所が綺麗になっているマンションは、住民のマナーが良い、汚い場合はマナーが悪い、ということです。
戸建でも、近所の環境について、上記に似たような項目をチェックすることが重要かもしれません。
近くに住んでいる人のマナーは、自分の住環境の快適性に思った以上に影響を与えるものです。
これも相対的な話にはなりますが、個人的に見てきた中では賃貸マンションよりも分譲マンションの方が、ごみ捨て場や掲示板、郵便受けがまだ綺麗なことが多いと感じます。
理由はいくつか考えられます。賃貸の方が分譲よりもどちらかというと年齢層が若い、収入が低い等も考えられますが、やはり賃貸だと人の出入りが激しく、いつ出ていっても構わないといった状況である一方、分譲の方はすぐには動けない、という関係上周囲を気を遣うことが多い、ということも有るのだと思います。
(そうは言っても、分譲でも汚いマンションもありましたが…)
3 柔軟性
お金や機能の次は、柔軟性を見ていきます。これは、住まいを自分の思ったように変えられるかどうか、という項目です。まず物件自体を変更する柔軟性を見ていきます。
3-1 物件の変更
物件自体を変更する柔軟性は明らかに賃貸の方が有利です。
好きな時に、好きな場所に、移動しやすいです。
一方所有していると、引っ越しはできても、今ある物件は売却しないと手元に資金が戻らず、ダブルでコストがかかることも想定されます。また、売却には多額の取引経費がかかるので、そのロスが馬鹿になりません。
転勤が多い、家族構成がまだ決まっていない等の場合、賃貸の方がオススメとなります。
3-2 設備・レイアウトの変更
設備・レイアウトの場合は所有の方が自由度が高いです。
賃貸だと、当然オーナーへ許可を取ったりといったことが必要となりますが、所有であれば、構造が許す限りはレイアウトも設備の変更も自由です。
自分の思うような家に住みたい派の人は、やはり所有とならざるを得ないと思います。
4 ペット
ペットについては、過去どちらもダメというマンションが多かったですが、最近は中型犬までは可、といったようにOKとなるマンションが分譲にも賃貸にも出てきています。どちらかというとやはり所有の方が多いような気がしますが、今後もペット可マンションは所有・賃貸どちらでも増えていくと思います。
一方、戸建であれば、大型犬でも何不自由なく飼うことが可能です。
大型犬を飼いたい人は、戸建所有の一択になると思います。
色々な切り口から見てみることが重要
以上、所有と賃貸の有利・不利を色々な切り口から見てみました。
言えるのは、やはり「どちらも一長一短、その人その人が何を重視するかによる」、ということです。
所有なのか賃貸なのか考える際、どうしてもお金のことだけとか、柔軟さだけとか、一つのことに意識が向きすぎて、他の項目になかなか目がいかない、ということがあると、後々実際に住んでみた時に自分の思ったのと違った!ということになりかねません。
そういった意味でも、こうして色々な切り口で所有・賃貸を見てみて、「やっぱり自分の重視するのはまずはコストの安定だ、その上で機能性に目をつぶってもやはり賃貸の方がいい!」とか「コストが多少変動するとしても、やはり子供のことを考えたら機能も良い所有がいい。レイアウトも変更して自分らしい住まいにしたい!」とか、重視する所と多少目をつぶっていこうとする所をあらかじめ考えておいた方が、後々何か問題があった際に対応しやすかっり、納得感も得やすいと思います。
是非、所有・賃貸問題はどちらかが良いと勝手に決めつけず、色々な面を検討してみてください。
それでは、また!今回もありがとうございました。