こんにちは!しろくまです。
前回もお話してきました、マイホーム購入の準備にあたって、自分の考え方(好み・価値観)を決めていくことが重要です。
その際、必ずぶつかるであろう問題がいくつかあります。
今回は、その問題の中の一つ、永遠のテーマである「家・マンションを所有すべきか、賃貸すべきか」について、僕個人の思うことをお話ししたいと思います。
これを読めば、マイホームを購入するかどうか、自分で考える時の一つの参考になると思います。
是非、これを読みながらも、自分はどう思うか、について考えてみて頂ければ幸いです。
結論 その人次第・物件次第
いきなり結論ですが、「その人の価値観次第。物件次第。」です。
身もフタもない話ですが以降で説明させて下さい。
その人の好み・価値観、将来についての予測次第
ネットニュースや動画、本、雑誌、どういったメディアでも、この『所有か賃貸か問題』は溢れています。
中には「今時不動産を買うなんて馬鹿だ!」とか、「一生賃貸なんて貧乏くさい!」とか、過激な文言も並びます。
勿論、これらの情報は読者に見てもらえないと困るのでセンセーショナルな宣言をしているのだと思いますが、
これだけを真に受けてしまうと、「本当は自分は買いたかったのに、怖いから買わない」、とか「家を買うのが常識みたいだから買う」と自分の意思を曲げられたり、不安になったりすることになってしまいます。
センセーショナルな主張があったとしても、結局はその主張の裏側にあるは筆者個人のただの好み・価値観であったり、比較する物件によって変わってしまう前提条件が眠っています。
逆に言うと、自分の好み・価値観と合致するか、物件によってはその前提条件は崩れないか、を考えていけば、あなたにとっての『所有か賃貸か問題』の答えを出せます!
以下では、「所有派」「賃貸派」それぞれの主張でよく出てくる理由とそれに対する反論を書いていきたいと思います。
「家・マンションは買うべきではない。賃貸にすべき」という理由と反論
それでは、最近ますます意見が強まっている、賃貸の意見を見てみましょう。
① 不動産が右肩上がりの時代は終わった。これからは景気停滞が続き、不動産価格が下がるのだから買うべきでない。
定番中の定番です。確かにバブル崩壊後、不動産価格は上下する時代に入りました。
でも、一方で2011年の東日本大震災以後は不動産価格は右肩上がりで上昇しています。確かに、不動産価格が下がっている地域はある一方、上がり続けている地域もあるのは事実です。
そう考えると、買う場所を間違えなければいいのでは?ということになってしまうかもしれません。
② 日本はどんどん人口が減って空き家だらけになる。不動産価格がどんどん下がるから買うべきではない。
これも定番です。人口減少を中心に据えたものです。確かに、説得力があるものの、これもいくつかの点から反論可能です。
まず、2015年から人口減少が始まっているのに、不動産価格は上がっているという事実があります。
特に、不動産価格が下がっている地域はあるものの、東京や大阪、名古屋等都市部の価格上昇は顕著です。
これに対し、都市部には人口流入が続いているのだから、当然だ、それらが人口減少に入ったら不動産価格が下がるのだ、という反論もあるでしょうが、そうすると、予測されるピークは各地域によって異なってきます。
人口増加が当面続くと予測される地域で、それまでに売却すると想定しておけば、買っても問題ないことになります。つまり、これもエリア次第ということになります。
それに、人口が減っても、移民や中国系の方々の爆買いといった動きはまだまだ続いていく気がします。そうなると、やはり価格が下がりづらい物件というのは、一定程度あると思われます。
③ 若いうちから不動産を買って多額の借金を負わされる、わざわざそんな重荷を背負う必要があるのか
確かに言い方を変えれば、そういう言い方もできるかもしれません。住宅ローンというのは、やはり借金であり、重荷です。
しかし、マイホームでの生活、自分の望むような家に住みたい、と考えている人から言わせれば、それに代えられる価値がマイホームにはあるのだ、という人もいるかもしれません。
また、仮に不動産の価値が上昇することがあれば、そのマイホームはその人にとって大きな資産となる可能性もあります。ここら辺は、まさにその人の価値観、その物件次第な気がします。
④ 不動産を買って自分は失敗した!不動産業界は皆詐欺師だ!買うべきではない!
マイホーム購入に失敗してしまった、不動産業者や業界に騙された、という方もいると思います。それは気の毒とは思いますが…。
だからといって、全員が全員自分と同じように失敗するのだ、というのは言い過ぎな気がします。
確かにマイホーム購入にはリスクがあるというのはそうですし、失敗した理由については参考にすべき面が多々あると思いますが、この理由で全員が全員マイホームを購入すべきではない、という結論に至るのは無理な気がします…。
⑤ 不動産価格は今非常に高騰していて、ピークにある。ここで買うと借金地獄になる
不動産市場は今バブルで、高値掴みするのではないか、という理由です。
この理由だと、買うこと自体に反対しているのではなく、時期の問題となります。
ただ、今が不動産市場のピークというのが本当かどうか、という問題はあります。もし、更にどんどん高くなっていったとしたら、実は今のうちに買っておくべきだったのかもしれません。
不動産市場の予測は非常に難しいので、なかなか判断は難しいです。ここは、あなた自身の予測に関わる部分になってくると思います。
「やっぱり家・マンションは買うべき。賃貸はダメ」という理由と反論
それでは、次に所有派の理由と反論を見ていきましょう。
⑥ 賃貸は賃料を払っていても自分のモノにならないが、家・マンションはローンを払っていれば資産になるのだから、家・マンションを買うべき
これは購入のタイミング次第、物件次第です。
バブル崩壊前に首都圏2時間通勤圏で高値でマイホームを買った方にとっては、そのマイホームの売却代金ではとても補いきれないほどの住宅ローンを支払っていると思います。
一方、2011年東日本大震災後の不景気な時期にマイホームを購入している人は、首都圏の相応の地域であれば、住宅ローンで払う額以上の価格で売却ができます。
家・マンションを買えば必ず資産になる訳ではありません。難しいですが、物件・タイミングといった要素を見定めることが重要です。
⑦ 政府の優遇策
先程の住宅ローンの低金利のように、政府は国民が住宅購入することに関し、多くの優遇措置や配慮をしています。
例えば住宅ローン控除や固定資産税の軽減措置、数えればきりがありません。
確かに、こうした優遇策はマイホームを買う時の大きなメリットにはなります。
しかしながら、ここでもそれがいい物件ならば、ということになります。
もし買った金額より非常に低い金額でないと売れないマイホームだったら、上記の優遇策のメリットではカバーしきれないでしょう。
やはり買う物件が重要、ということです。
⑧ 家・マンションを買うのが夢だった。自分の理想の家・マンションに住みたい。自分の城が欲しい。落ち着いて安心できる場所が欲しい。
思った以上にデザインが良い素敵な家に住みたい、落ち着ける場所、安心できる場所が欲しい、といったことをポイントに挙げる人が多い気がします。
もちろん、これは好み・価値観の話なので、こうした理由で家を買いたいとあなたが思っているのであれば、何の問題もないと思います。
ただ、そうはいってもお金の問題はどうしても避けられません。こうした思いはいいものの、経済面での課題もしっかり考えてバランスを取っていくのが現実的ではないかな、と思います。
⑨ 子供がのびのび暮らせる家(戸建)に住みたい。住むべき。
この理由で家を買う人はかなり多いのではないか、と思います。
マンションだと下や上の階を気にして、狭い中で子供にとって窮屈なのではないか、と感じるものです。
戸建であればマンションのそうした窮屈さは解決できるのですが、賃貸の戸建というものはほとんどありません。
結局、戸建に住むには買うしかない、ということになります。
ただ、これも価値観の問題です。やっぱり上記のような理由で戸建に住みたい、という人はそうすべきだと思いますが、それを実現するにはお金の問題はやっぱり出てきます。
家を買ったのに、節約・節約で苦しい生活になっては本末転倒です。
価値観は価値観で大事にしつつ、現実的にどうしていくか、やはりバランス感覚が必要になってきます。
⑩ インフレ防衛
不動産はインフレ防衛資産です。お金以外の資産ですので、お金の価値が暴落した際も、不動産の価値は保たれるので、インフレに備えて買うというのは、有効な施策です。
昔は基本的にインフレ傾向であったため、マイホーム購入の有望な理由の一つでした。
一方、今はデフレから脱却したものの低インフレの時代。インフレ防衛をそこまで考えるべきか、という議論はあります。
中には、国債の増大によって、政府が破綻する時にハイパーインフレになるのだ、そのための防衛には役に立つのだ、という論もあるようですが、個人的には行き過ぎなんじゃないか、と思ったりします…。
結局「好み・価値観次第」か「物件次第」
以上、「所有派」・「賃貸派」それぞれの主張する理由とそれに対する反論を述べてきました。
どれも結局「好み・価値観次第」か「物件次第」であり、どんな理由にも「反論は可能」ということが分かって頂けたと思います。
ということは、自分の好み・価値観を把握し、マイホームを買いたい場合は不動産の知識をしっかり蓄えて物件を見定められるようになっておけば、所有・賃貸どちらを選択しても正解という訳です。
では、具体的に所有・賃貸にはどのような違いがあり、どちらの方があなたにとって好み・価値観に合うのでしょうか?
次回、所有・賃貸について、具体的に比較してみたいと思います。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。それでは、また!